今回は自動火災報知設備の煙感知器についてです。皆さんのマンションやオフィスにもあるのではないでしょうか。
誤作動したらどうしよう?と思っていませんか?
今回は煙感知器の仕組みを学ぶ事で、誤作動への心配を無くしてもらう為の記事です。
なるべく専門用語を使わず、写真や図を用いて解説しますので最後までご覧ください。
熱感知器については↓
こちらで記載します。
この記事を読むことで
➡煙感知器の種類と仕組み
➡煙感知器の誤作動の原因と対処法
について学ぶことが出来ます。
煙感知器の種類と仕組み
煙感知器の種類は大きく分けて2種類です。その種類は下記の通りです。
・スポット型
→ピンポイントでその周囲を感知する
・分離型
→A地点からB地点の間の区域の煙を感知する
一般的に設置されているのはスポット型です。
スポット型も次の2種類に分類できます。
・イオン化式
・光電式
イオン化式感知器に関しては放射性物質を放出する為、現在は使用されていません。
分離型はほとんど見かけることはありませんね。
では別々に解説します。
光電式スポット型感知器の仕組み
まずは光電式スポット型感知器の写真から
特徴は中央の黒い部分です。写真では分かりにくいですが、網になってる部分があり、ホコリや小さな虫などの異物の侵入を防いでいます。
設備の仕事をしていない方はよく定温式と間違えてますね。
ちなみに定温式スポット型はこちら↓
見分け方は感知器に金属が付いているものが一定の温度で作動する定温式です。
解体現場では定温式と煙式の両方に養生(感知器に煙が入らないようにテープを貼る)がされていることが多々あるので、これを見て感知器を見極めてもらえればと思います。
さて、煙感知器に話を戻して
煙を感知する仕組みは、内部で一定方向に光が通っているのですが、これが煙によって乱反射し、受光部という部分に届くと反応します。
分かりやすく図で解説します。
非火災時は感知器はこのようになっています。
ここに煙が入ることで↓
煙により、一定方向に出ていた光が乱反射し、受光部へと届き火災信号が火災受信機へと届きます。
先ほど感知器が網目状になっている部分があると申し上げましたが、このようになっている理由はホコリや虫の侵入により誤作動を起こさないようにする為です。
光電式分離型感知器の仕組み
光電式分離型感知器の仕組みはA地点からB地点へと光が出続けており、その光が遮られる事で反応します。
分かりやすくする為にA地点、B地点と述べましたが、正しくは
・送光部(光を発信する部分)
・受光部(光を受信する部分
と言います。
では図をご覧ください。
非火災時はこのようになっています。
しかし煙が発生すると↓
煙により光が遮られ、火災信号を受信機へ送信します。
煙感知器の誤作動の原因と対処法
煙感知器が誤作動したらどうしよう。もしくは誤作動をしたことがあるんだけどどうしたらいいの?
という質問をよくいただくのでお答えします。
光電式スポット型感知器の誤作動
煙で反応する感知器ですがどのような場面での誤作動が多いのでしょうか。
多い例として3つあります。
・タバコによる煙が原因
→こちらは言うまでもありませんね。しかし最近では禁煙ブームでかなり減りましたが。
対処法
喫煙室を煙感知器ではない場所にする
・無窓階により煙感知器を設置しなければならなかった飲食店
→無窓階とは少々難しい言葉なのでここでは割愛します。
無窓階判定された建物は様々な場所に煙感知器を設置しなければならず、例えば焼肉店で煙感知器の設置をしなければならない場合は・・・想像がつきますね。
対処法
・所轄の消防署と協議の上、熱感知器に交換する
→消防署の基本方針は無窓階なら煙が原則です。しかし協議によって感知器の変更が可能な場合が多々あります。
・天井を高くし、各テーブルに吸気の設備を設ける
→どちらもコストがかかってしまいますし、これでも誤作動の可能性があります。どうしても熱感知器への変更の特例がもらえなかった場合はこういった方法で誤報は減らせます。
・ホコリが原因
→そもそもホコリが入らないように網目状になっていますが、年数が経った感知器は少しずつ少しずつ網目内にホコリが入る事があります。これが風や扉の開け閉めの圧力に変化により感知器内部で舞い誤作動の原因となることも。
対処法
→古い感知器は交換する
光電式分離型感知器の誤作動
光電式分離型感知器の誤作動の原因は2つあります
・機器の経年劣化
→送光部の光が弱くなる、もしくは受光部が光を感知しにくくなる
対処法
交換する
・地震で送光部と受光部の位置関係がずれて誤作動
→ここまで仕組みをご覧いただけたらお分かりいただけるかと思いますが、地震による誤作動もあります。
対処法
→送光部、受光部を正しい位置に戻す
設備の仕事をされている方や、ビルオーナー様はこういった例もあるんだと頭に入れておいていただけたらと思います。
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