スプリンクラー設備とは(放出事故例)〜誤作動を防ぐ為に〜

よくある質問

スプリンクラー設備は消防設備に興味がなくてもある程度は分かるのではないでしょうか?

皆さんの認識としては『火事の時に水が出るやつだよね?』といった感じだと思います。

しかしその仕組みについては殆ど知られていませんね。

スプリンクラーヘッドと呼ばれる部分に物をぶつけてしまったりすると

誤ってスプリンクラーが放出する事も!

事前に勉強していただく事でスプリンクラーが放出してしまった!

なんて事故を防げます。

今回は出来るだけ簡単にスプリンクラーについて説明します。

この記事を読む事で

➡︎スプリンクラー設備とは(設備の構成、種類)

➡︎スプリンクラー設備の起動の仕組み

➡︎スプリンクラー設備の誤作動の原因

について学ぶ事ができます。

スプリンクラー設備とは

スプリンクラー設備とは火事の時に天井のスプリンクラーヘッド

から水が放水される事により消火をします。それではスプリンクラー設備の

構成を見てみましょう。

スプリンクラー設備の構成

↓水源(水を貯めておく場所)

↓ポンプ(水を送る装置)

↓配管(水の通り道)

↓スプリンクラーヘッド(放水する部分)

↓流水検知装置(水流を感知しポンプ起動の信号を送る)

↓起動用圧力タンク(圧力を検知し自動でポンプを起動する装置の1つ)

↓一斉開放弁(水を止めておき、必要な時に開放するもの)

↓送水口(消防隊が送水口から水を送る)

このように構成されています。

スプリンクラー設備の種類

スプリンクラー設備は大きく分けて2種類です。

・開放型スプリンクラーヘッド

・閉鎖型スプリンクラーヘッド

そして閉鎖型スプリンクラーヘッドをさらに分類すると

・湿式

・乾式

・予作動式

と分類する事が出来ます。

ではスプリンクラーの水が出るまでの仕組みを解説します。種類によって仕組みが異なりますので別々に記載します。

開放型スプリンクラー放水の仕組みと特徴

1.火災が発生し火災感知器が反応する(若しくは火災が発生し手動起動装置を押す)

2.感知器の反応により自動、手動起動装置により手動で一斉開放弁が開放、ポンプ起動

3.一斉開放弁の作動により、止められていた水が必要な区域へ流れ、ポンプの水圧で放水

[特徴]

・主に劇場の舞台部に設置される

・手動で起動できる

閉鎖型スプリンクラー(湿式)放水の仕組みと特徴

1.火災が発生しスプリンクラーヘッドが熱せられる

2.水はスプリンクラーヘッドによりフタがされている状態である。このヘッドは熱に弱い為、溶けてフタがなくなり放水開始

3.配管内の水が抜けた事により、圧力が下がり圧力タンクや流水検知装置が検知し、ポンプを起動

4.ポンプの圧力により放水

[特徴]

・最も一般的なもの

・配管が水で満たされている為、凍結の恐れのある場所では設置できない

閉鎖型スプリンクラー(乾式)放水の仕組みと特徴

1.火災が発生しスプリンクラーヘッドが熱せられる

2.圧縮された空気がスプリンクラーヘッドによりフタがされている状態である。

スプリンクラーヘッドが熱で溶けて圧力空気が放出。

3.配管内の空気が抜けた事により、圧力が下がり圧力タンクや流水検知装置が検知し、ポンプを起動

4.ポンプの圧力により放水

[特徴]

・配管内は空気で満たされている為、凍結の恐れのある場所でも設置できる

閉鎖型スプリンクラー(予作動式)放水の仕組みと特徴

1.火災が発生し、感知器が反応する

2.感知器の反応により流水検知装置の弁が開放し、ヘッドまで水が流れる

3.ヘッドが熱せられる事により放水開始

4.ヘッドが外れた事により配管内の圧力が下がり、流水検知装置、圧力タンクが作動しポンプ起動

5.ポンプの圧力により放水

[特徴]

・感知器とスプリンクラーヘッドの両方が作動しないと放水しない為、誤作動を防止できる

・主に誤作動で水損の被害が大きくなる場所に設置される

・構造が複雑な為設置コストがかかる

スプリンクラー設備の誤作動の原因

スプリンクラーの誤作動の原因は大きく分けて2つありますが

まずは水が放出する部分であるスプリンクラーヘッドを見てみましょう。

↑こちらがスプリンクラーベッドです。

この部分から水が出るわけですがこの部分を図で説明すると↓

通常時はこのようになっています。

注目すべきはスプリンクラー配管は水で満たされている点です。

つまりこのスプリンクラーヘッドによって蓋をされているだけの

ような状態です。この蓋のような役割をしているスプリンクラーヘッドが

外れてしまうことで水が放出します。

スプリンクラー誤作動の仕組み

・1つ目の原因はスプリンクラーヘッドに物をぶつけて破損し水が放出されます。

↑これは先ほどの図からもイメージできますね。

スプリンクラーヘッドに物理的な力が加わり破損し蓋が壊れて放出といった具合です。

脚立を運んでてぶつけてしまって放出

なんて事故がよくあります。考えただけでゾっとしますね。

スプリンクラーヘッドには物をぶつけないように

注意が必要です。

・2つ目の原因はスプリンクラーヘッドが熱で溶ける事により水が放出されます

なんとこのスプリンクラーヘッド、熱で溶けるように設計されているんです。

実際の火災でも火がこのスプリンクラーヘッドを

溶かす事で水が放出するんですね。

レストランのパフォーマンスでフランベ

(フライパンに炎が上がるアレ)をやっていたら

スプリンクラーヘッドを溶かしてしまい放出

なんて事もあります。

フランベで火災報知機が作動なんてことも

考えられますね。

飲食店を経営する際はスプリンクラーヘッドが無いか

確認しておくことが重要です。

コメント

  1. […] スプリンクラー設備とは(放出事故例)〜誤作動を防ぐ為に〜 […]

タイトルとURLをコピーしました