ガス漏れ火災警報設備とは

解説

ガス漏れ火災警報設備と聞いたらなんとなくイメージできるのではないでしょうか。文字通りガスの漏れを警報してくれる設備の事ですね。

でもどのような場所に設置されているか、またどのような仕組みでガス漏れの警報を発するのか。あまり知られていませんね。

今回はこのガス漏れ警報設備の種類や仕組み、設置場所について解説していきます。

この記事を読むことで

➡ガス漏れ火災警報設備とは

➡ガス漏れ火災警報設備の構成と仕組み

➡ガス漏れ検知器の種類

➡ガス漏れ火災警報設備の設置場所

について学ぶことが出来ます。

ガス漏れ火災警報設備とは

ガス漏れ火災警報設備とは警報設備に分類され、ガスの元栓の締め忘れやガス配管の老朽化によるガス漏れをいち早く知らせ、事故や火災を未然に防ぐ為の設備です。

皆さんのご家庭でも設置されていることがありますね。

まずはこのガス漏れ火災警報設備の構成と仕組みを見てみましょう。

ガス漏れ火災警報設備の構成と仕組み

ガス漏れ火災警報設備は様々な機器で構成されています。火災報知機をイメージしていただくとわかりやすいかと思いますが、感知器、受信機、発信機、ベル等々とその構成は多岐にわたります。

まずは機器の構成を一つずつ見ていきましょう。

ガス漏れ火災警報設備の構成

まずはガス漏れ火災警報設備の機器の説明を写真付きで分かりやすく解説します。

・ガス漏れ検知器(ガスを検知し、受信機へ信号を送る。警報音と音声で検知器周囲にガス漏れを知らせる)↓

・ガス漏れ表示灯(ガスが漏れている区域をランプ点灯により知らせる)

・受信機(検知器からのガス漏れ信号を受信し、区域を表示する。また、その他の設備に信号を送る)

・副受信機(受信機とは別に守衛室などに設けられる)↓

※写真は火災報知機の受信機兼用の物


ガス漏れ火災警報設備の構成は上記の通りです。

これらの機器が連動することによりガス漏れを周知します。

端的に解説すると、感知器(検知器)でガスを検知し、検知器が警報音と音声によりガス漏れを警告。

その信号をガス漏れ火災警報受信機(受信部)へ伝え、その信号を受信するとガス漏れが発生しているエリアを

表示し、ガス漏れを早期発見します。

分かりやすくする為に図で添付します。↓

・店舗A、B、Cとありますね。そしてそれぞれにガス漏れ検知器が設置されています。

ガス漏れ火災受信機も同様、A、B、Cのガス漏れ表示を搭載しています。

そして中継器とはガス漏れの信号を文字通り中継し、表示灯を点灯させたり受信機に信号を送ります。

では店舗Aで火災が発生した場合はどうなるのでしょうか。↓

・検知器がガス漏れを検知すると警報音が発生(ガス漏れ検知器にブザー内蔵)

・受信機へガス漏れ信号を送る

・受信機でガス漏れ表示、区域が点灯

・中継器を介して店舗Aの外にある表示灯点灯

と、このようにガス漏れを検知し、周知します。

 


ガス漏れ検知器の種類

都市ガスとLPガスで検知器は変わるの?

といった質問も多くいただくので、ガス漏れ検知器の種類について解説します。


ガス漏れ検知器は大きく分けて2種類あります。

都市ガス用とLPガス用です。この2つは機器としての仕組みはあまり変わりませんが、設置する場所が大きく異なります。

何故設置する場所が違うのでしょうか。その理由はガスの重さです。

都市ガス→空気より軽い

LPガス→空気より重い

これにより都市ガスが漏れた場合は空気より軽いので天井付近に滞留します。

一方LPガスが漏れた場合は空気より重いため床面付近に滞留します。

ここまで見ていただければガスの種類ごとに滞留する付近に検知器を設置すれば有効に検知できることがお分かりいただけますね。

ガス漏れ検知器の設置場所を次にまとめます。

ガス漏れ検知器の設置場所

都市ガスは軽い。LPガスは重い。じゃあその基準はあるの?と思われるかと。

都市ガス検知器だからと言ってやみくもに天井付近に設置すればいいという訳ではありません。設置場所の基準を検知器ごとに記載します。

都市ガス用ガス漏れ検知器

・都市ガスは主成分がメタンで比重は空気より軽く天井付近に滞留

その為設置場所は天井面から30cm以内とされています。


LPガス用ガス漏れ検知器

プロパンが主成分で、空気より重く下方へと沈みます。

その為設置場所は床面から30cm以内とされています。


いずれも30cm以内ですね。とても覚えやすいのではないでしょうか。

 

 

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